朝日社説 麻生首相―言葉が軽い、政権も軽い : asahi.com(朝日新聞社):社説

 この社説はダメだと思う。

 政治家の発言の言葉尻をとらえて、いたずらに批判するのは本意ではない。それを十分わきまえた上でも、このところの麻生首相の発言の迷走ぶりは見過ごすわけにはいかない。
 一昨日、地方の医師確保の難しさに関連して、首相はこう述べた。「(医師は)社会的常識がかなり欠落している人が多い。価値観なんかが違う」
 何を言いたくてこの発言になったのかよく分からないが、これでは過酷な長時間労働に耐えている病院の勤務医や地域医療に携わる医師たちに失礼だろう。

 医者たちに失礼なのは明白だし、そのことを首相は謝罪した。その件はそれで、社会的に終わりだ。ジャーナリズム的には終わりではない。ジャーナリズムは、「何を言いたくてこの発言になったのか」を妥当に推論して問わなくてはならない。それが初っぱなから放棄されたら、それはダメだと思う。
 こうした失言を、文脈から切り離してバッシングするというのはもうやめるか、文脈のなかでその意図をきちんと推論し、何が間違っているかを指摘しなくてはならない。つまり、冒頭「政治家の発言の言葉尻をとらえて、いたずらに批判するのは本意ではない」が見事に転倒している。
 文脈と思われるあたり⇒asahi.com(朝日新聞社):首相「医者は社会的常識欠落した人多い」 会議後に謝罪 - 政治

 麻生首相は19日の全国知事会議で、地方の医師確保策についての見解を問われ、「自分が病院を経営しているから言うわけじゃないけれど、大変ですよ。はっきり言って社会的常識がかなり欠落している人が多い」と語った。
 首相はさらに「(医師不足が)これだけ激しくなってくれば、責任はお宅ら(医師)の話ではないですかと。しかも『医者の数を減らせ減らせ、多すぎる』と言ったのはどなたでした、という話を党としても激しく申しあげた記憶がある」と続けた。その上で、医師不足の一因とされる臨床研修制度の見直しなどに取り組む考えを示した。

 関連⇒毎日社説 社説:医師の増員 舛添さん、今度こそ成果を - 毎日jp(毎日新聞) - finalventの日記