毎日社説 社説:「医師は常識欠落」 麻生さん、「失言」では済まない - 毎日jp(毎日新聞)
全国都道府県知事会議で医師不足への対応を問われた麻生太郎首相が「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医者の確保は大変だ。(医師には)社会的常識がかなり欠落している人が多い」と述べた。地方の医師不足の原因が医師側にあることを指摘したかったとみられるが、乱暴な発言だと言わざるを得ない。これには医師の団体だけでなく、首相を支える政府・与党からも批判や苦言が相次いだ。異例のことである。
ジャーナリズムが困ったことになったと思うのは、このあたりの思考回路。毎日をバッシングという意図ではないのでそこんとこよろしく的に。
「地方の医師不足の原因が医師側にあることを指摘したかったとみられるが、乱暴な発言だと言わざるを得ない」というなら、「乱暴な発言」でなく、その指摘が紳士的になされていたらどうかというのが、問題の本質。というか、「乱暴な発言」とやらは見ていくかぎりごく表層的な問題というか、失礼は失礼だしそこは謝罪して終了。
医師の団体が医師抑制を働きかけたことは事実だが、それを後押ししたのは自民党だった。医師不足を医師側の責任と主張するのなら、客観的な事実を示すべきだ。自らの病院経営の中で感じたことを話したのだとすれば説得力がない。首相発言は医師不足の現状を打開する手がかりになるどころか、混乱をもたらすだけだ。こういう発言こそ「社会的常識」を欠いたものと指摘せざるをえない。
「客観的な事実を示すべきだ」は首相に問うべきではなくて、ジャーナリズムの仕事。というか、反語的に言うのであれば、そこをもっと厚く。つまり、「社会的常識がかなり欠落している人が多い」のは「自民党」なのか? そこに説得力がない。
私の印象だが当時の報道をみると、自民党はその背景団体の利権を配慮していたように思える。
次に。
「医師不足の現状」だが、これは誰か指摘しないのだろうか、というか指摘されているのを私がよく知らないのか。ちょっと資料を探すのがめんどいが、医師は不足していないはず。このあたりだが、10年前の医師減らしの予想は間違っていないはず。
打開されるべき現状というのは、地域の医療拠点となる病院の医師不足であって、つまり、医師は開業医にシフトしているということではないか。
そしてそれは大筋では正しい方向というか、正しい以前に、自由主義国家の発展の必然に近いものだと思う。
ジャーナリストさん、お仕事してくださいよという感じ。
追記
毎日社説 社説:「医師は常識欠落」 麻生さん、「失言」では済まない - 毎日jp(毎日新聞) - finalventの日記
2008年11月22日 NATROM 逃散 「ちょっと資料を探すのがめんどいが、医師は不足していないはず」。それはぜひとも資料を探してください。お願いします。
すでにご存じではないかと思いますし、私の読みが間違っているかもしれないけど⇒http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/07/dl/s0728-9c.pdf