朝日社説 地方分権勧告―首相も首長も覚悟を示せ : asahi.com:朝日新聞社説
これを実行に移せるかどうかは、政治の責任だ。各省の官僚や族議員が抵抗している項目を、骨太の方針にどこまで盛り込めるか。福田首相のやる気がすぐに試されることになる。
知事や市町村長の覚悟も必要だ。各自治体の中には、「権限をもらっても面倒なだけ」との本音もちらつく。
分権は、政府と自治体間の単なる権限争いではない。よりよい暮らしを実現するための統治の仕組みの大改革であり、日本の再生がかかっている。住民の側からも改革を後押ししたい。
小泉政権には回顧するといろいろな相貌があった。変容もあった。高橋洋一のようなブレーンも抱えていたが内情が見えるにつれ、小泉の政治的な直感というのはぞっとするものがある。そしてその直感で実は彼はうまく保身もした。郵政改革は畢生の大業で臨んだのだろうが、農政には手を出さなかった。安倍も森派の手前を繕い見殺しにした。そこで彼の終わりだったかはわからないが、高橋が夢見た地方分権への直感は持っていただろう。私は小泉再期待はしないし、自民も民社も解体するほうがいいなと思っている。だが、そのなかで小泉クラスの政治を出せるかといえば、やはり私はまだ小沢に夢を見ている。ただ、彼自身が立つことはないだろう。私は菅直人が嫌いだ(ある意味で長い付き合いから)がその政治力を付ける候補にはあるのだろうと思う。
朝日社説に戻れば、「福田首相のやる気がすぐに試されることになる」というのは昨今の福田を見ていると捨て鉢というか捨て身技への期待だろうか。福田はなかなかあれで強い人だしうまく捨て身を出すなと思う。それなりのブレーンがあるのだろうか。この人は普通に頭がいいだけのようにも思う。宮沢みたいな意味のない頭の良さではなく。
朝日は「知事や市町村長の覚悟」というがそれは無理だろう。たぶん分権は、分権という言葉が示す以上に大きな組織になる。実質的にはトヨタ王国の内包が問題になるのではないか。後はいろいろごちゃごちゃするだろうが、実際には地方を食わせなくていけないのだから、その算段ということになるし、いずれ国政・官僚懇願の体制はじり貧になるだろう。日本の官僚は馬鹿ではない。そこが見えている部分が明確にある。というか、そろそろ内政に目を向けるのではなく、日本存亡のコアを少しずつ築かないといけないし、その有志は有るように思える(頑張れと言いたいがきついだろうな)。
「住民の側からも改革を後押ししたい」というのが残念ながらその住民とは率直に言えば「プロ市民」を囲った薄ら左翼になる。問題は、薄ら左翼というかそのあたり左翼でもない普通の市民がある種の生活政治の意識をもったとき、「プロ市民」的なプロたちがどうも妨害に入ることだ。これは「プロ市民」側から見るといわゆる右翼・右派がいうような左翼ではない。ある意味で昭和の亡霊がいるし、彼らの言葉はきちんと聞くならきちんと歴史を物語っている。
最近駅前などで私はいつもなら素通りする共産党の演説とビラ配りを足をとめて何気なくみている。老人ばかりだと思う。この老人たちに溢れるような理想があり、それがくすぶり、たぶん、平成という時間すらなく老人となりこの街頭に立たせているのだ。その思いだけを見れば頭が下がる思いがする。私はそうならないのではないか。馬鹿だなこの爺・婆と見て終わりにしそうな自分がいる。