日経社説 口先で終わりか和解の意欲

 これはまたすごい意気込みだな。

 全国5つの裁判所での同訴訟の一審判決はいずれも、国の賠償責任について薬剤の種類や投与時期で線引きをして判断し、それぞれ異なる結論を出した。国の責任をまったく認めなかった判決もある。

 それをわかっていてこの意気込みはそれなりにすごい。

 しかし抵抗があるのは最初から分かり切っている。責任と誠意のある政治家なら、抵抗を乗り越え、判決で命じられた範囲を超える補償・救済策を実行できる目算が立って初めて「年内の和解成立を目指す」(舛添厚労相)、「政府に責任がないというわけにはいかない。なるべく早く和解が成立し、患者の方々に満足いただけるように」(福田首相)などの言葉を口にするものだ。
 政府が和解成立を熱心に目指す姿勢を見せだした時期は、製薬会社から取り寄せた肝炎感染者リストを厚労省が長年放置していた事実が発覚したころに重なる。血の通わぬいいかげんな厚労省の仕事ぶりへの国民の怒りをかわす、その場しのぎの目くらましに「国の責任を認め和解を目指す」方針を持ち出したのではないか。そう疑いたくなる、和解協議の幕切れになるのか。

 「などの言葉を口にするものだ」とあるがそういう次元になってしまう。
 率直に言えば、社説には今苦しむ人をどう救済するかの最適化への配慮も必要。