毎日社説 社説:視点 中国新指導部 上海派巻き返しなら…=論説委員・金子秀敏

 へぇ、言うな。朝日と同じで、くぅぅぅっとすっこんでいるのかと思ったが。
 つうか、これよく書けている。引用が長いけど、これはよくまとめている。

 総書記代理格の筆頭書記として中央書記局を握ったのは、共産主義青年団で胡氏の後輩である李氏ではなく、北京勤務の経験もないダークホースの習氏だった。李氏は筆頭副首相で次期首相候補だ。習氏が政治局の実務を取り仕切り、事実上、次の総書記となる準備をする。
 両氏ともこれまでの政治手腕は高く評価されている。問題は、次の総書記が胡氏の人脈でなくなることではない。まったくのダークホースの抜てき人事の背景に、一般の中国人は、きっと党規約を超えた「天の声」が作用したのだろうと思うだろう。太子党の起用に、共産党はまだ「人治」の党なのだと失望するだろう。それが党の信頼度、統治力の根源にかかわる問題なのだ。

 それとこれ。

 もう一つの眼目は、規律検査委員会書記の人事である。前の第16期政治局常務委員会も4対5で江氏系が多数だったが、それにもかかわらず胡総書記が上海市ぐるみの汚職や、聖域といわれた海軍の汚職を摘発できたのは規律検査委を押さえていたからだ。
 ところが今回、公安・検察部門を押さえる政法委員会書記だけでなく、規律検査委書記も胡派がとれなかった。江氏の腹心、曽慶紅国家副主席は定年で常務委を引退したが、賀国強周永康の江系2氏が規律検査委書記、政法委書記として常務委に入った。

 結語もこれでいい。

中国の庶民はバブル経済がはじけるのではないかと恐れている。不安な時代に安定した政権運営はなにより重要だ。その点で不安の残る指導部人事だった。

 この水準が国内紙で維持できたらすごいんだけどな。