日経社説 日米関係損ねる慰安婦決議

 これは良社説だ。

 決議は日本政府、首相の公式謝罪を求めている。政府は1993年の河野洋平官房長官談話で慰安婦だった方々に公式に謝罪し、アジア女性基金を通じた償いをしてきた。
 安倍晋三首相は4月訪米時のブッシュ大統領、議会指導者との会談で「辛酸をなめられた元慰安婦の方々に、個人として、また総理として心から同情するとともに、そうした極めて苦しい状況におかれたことについて申し訳ないという気持ちでいっぱいだ」と発言した。これも決議が求める公式謝罪に近い。
 安倍訪米前、米側がこの問題で対日批判を強めていたころ、私たちは「韓国、中国よりも米国で声高に批判されるのを日本で聞く違和感は、米先住民の過去の待遇を日本の国会が批判するのを米国人が聞く時の感覚に近いだろう」と書いた。さらなる謝罪を求める決議の採択を聞いて同様の感覚を禁じ得ない。

 もう少し引用したい。

 米側での対日イメージの低下や日本国内での反米感情の高まりにつながりかねない動きは、双方にとって有害である。それ以外にも日米間には否定的要因が増えている。
 日本ではブッシュ政権の融和主義的な北朝鮮政策に不満が強い。参院での多数を得た民主党小沢一郎代表は、テロ対策特別措置法の延長に反対を表明した。インド洋での海上自衛隊の給油活動が打ち切られれば、米側に失望感を与えるだろう。

 日経はけっこう踏み込んで言うなと思った。