意図的に女性をふったことはなかったように思うが

 見捨てられるように捨てられたことはあったか。まあ、どっちかというとあった。まあ、それは私の世代でいうとすべて25歳には終わる物語だった。彼女はクリスマスケーキさみたいな。
 でも、ぽっつりと残された私は、え?俺、30歳? とか愕然としたものだった。あのころ、「30歳になった日」という短編小説を書いた。実家のどこかにあるかもと思ったが、先日整理して見つからず。見つけたくもないし、ストーリーらしいストーリーもない。
 それから先は、見捨てられたみたいな強い関係の前にフィルターアウトかな。なんかそういうのが何枚何枚も薄い紙を束ねたようにあったような気がするが、もうよく思い出せないし、いつのまにかそういうものに慣れた。幸いにしてというか、救いようがないなだが、身体的な関係性に深めることなかった。はてなーの中心世代(あるとして)若いからかその手の話題が多いが、身体的な関係性の有無というのは両義的だ。その両義性の結実は十年、二十年がかかる。両義的というのは、どの選択にも罪と痛みがあるということだ。