朝日社説 集団的自衛権―何のために必要なのか

 私たちは、集団的自衛権の行使は憲法上認められないし、認める必要もないと考える。自衛隊は日本防衛以外の目的で武力行使をすることはない。その原則から逸脱してはならない。

 その通りなのだが、それで日本の国民の大数への答えになってないのだから、そこから踏み出す思索をしなくてはならないのに、そこで朝日も左翼も終わっている。
 まず、米国の傘の下にある日本という現実がある。そして、これから米国の軍事同盟に組み入れられるという大きな選択がある。それを阻止するならどう対応するのか。この問題は、当面は問題にならないにせよ、中国の軍事力とのバランスにある。朝日も左翼も、この問題に実質目を瞑ってしまっている。たしかに、中国の軍事力は目先の問題ではない。しかし、それが問題ではないのは、今の日米の軍事体制があるからだという現実がある。
 そして大枠で中国の軍事力が問題ではないとしても、局地的には暴発するし、なにより、中国は、その軍事力によって自国民を統制しているという現実もあり、その自国民が台湾に及ぶのは彼らにとってなんの異和感もない。このなんの異和感もないという感覚が日本人の多くにはまるで通じていない。