桜を見ながら人類滅亡の日を想像した……
といってもたいしたことじゃなくて。
その日は静かに自然にやってくるんじゃないかなと思った。
私はそれまで人類滅亡の日は巨大隕石とかいずれにせよ、カタストロフィックなものをなんとなく思っていたのだが、ぼんやり桜を見ながら、いやじわじわと人が気が付かず、滅亡するのだろうなという感じがしてきた。
人類の人口は急激に縮退するだろうが、それも百年スパンくらいではないだろうか。そして人類の生活様式はいわば古代のようになるのだろう。なんだかナウシカみたいなだが。
あるいは、もっと何万年もかけて滅びに適合する形で退化していくのかもしれない。
おそらく人類が滅亡しても、地球生命はまだ続くだろうし、別種の知的進化を遂げる生物が出現するのだろう。ベルクソン最後の思想みたいだが。