猫猫先生、旧仮名を語る

 ⇒泉下の福田恆存先生! : 猫を償うに猫をもってせよ - 泉下の福田恆存先生!

「づつ」は正仮名遣いである。私の郷里の方言では「つつ」と発音するくらいで、むしろ「新仮名遣い」が「ずつ」にしたことを前から疑問に思っていたが、正仮名遣いで書かれているものを、こう頭から間違いだ間違いだと非難されたのでは、福田恆存先生ならずとも、慨嘆せざるをえない。昭和8年生まれとおぼしい投書者は、正仮名遣いをご存じないのか。

 私の叔父は、信州人だが、「一つずつ」に相当する表現を「ひとつっつつ」と言っていたのを子供のころ不思議に思って気に留めていた。他にもそういう表現する老人がいることに気が付いた。江戸弁でもそうかもしれない。
 仮名問題は難しい。個人範囲なら旧仮名・旧漢字で通してもいいようにも思うが私自身は書き言葉として利用できない。