2006-12-31 日経社説 処刑だけではイラク新時代は生まれない フセイン時代のバース党独裁への復帰を望む人は、現政権への抵抗感が強いスンニ派の中でも少数だ。元大統領処刑がスンニ派の一斉蜂起といった状況につながるわけではないが、治安状態の好転に結びつく可能性も乏しい。旧政権の残党や外国人も含むテロ組織などがもっぱら米軍やシーア派を攻撃する状況から、シーア派の一部勢力によるスンニ派攻撃やシーア派の内部抗争とその報復が続く状況へと、イラクの武力衝突の図式が変わっているからだ。 このあたりはそれなりに正確。 ただ、ふと思ったのだが、フセインの処分はスンニ派登用のステップだったかもしれない。彼が生きていたら、そこが中心のように疑心を招くだろう。