日経社説 消費がかぎ握る、いざなぎ超え後の景気

 そのなかで消費の弱さは確かに心配だ。特に夏場以降の家計消費支出、自動車販売台数などいくつかの消費指標の足踏みは長梅雨などの特殊要因だけでは説明しきれない。やはり現金給与総額の伸び悩みに表れたような個人所得の停滞が大きいといえる。企業収益の改善が、個人所得の増加につながっていないのだ。
 その原因として(1)雇用者数の伸びが鈍った(2)企業がパート、派遣社員など賃金の低い非正規雇用の比率を高めている(3)正規社員の賃金についても抑制する企業が多い――などが考えられる。

 もっともベースには生涯所得予想の底が抜けたまま。ま、それがうまく行くかもだけど、一種の社会不安みたいのが払拭されるといいのだろうが。