産経社説 APEC閣僚会議 重層的な経済連携に意義

 中国が主唱している東南アジア諸国連合ASEAN)10カ国+3(日中韓)構想、それに対抗する形で日本とりわけ経済産業省が熱心なASEAN+6(日中韓とオーストラリア、インド、ニュージーランド)構想は、いずれも米国、そしてAPECや世界貿易機関WTO)の正式メンバーである台湾を除外している。
 台湾を除外しているのは、中国の政治的圧力による。しかし、台湾はいまやアジア経済で大きな地位を占め、米国はアジア経済とは切っても切れない関係にある。米国、台湾を排除した形での経済連携は不自然である。

 ひどい言い方をすれば、日中が経済的にさらに取り組めば台湾は事実上その枠組みのなかに吸収され問題は消える。
 おそらく胡錦涛政権側はそのことがわかっているから、これから奇妙な親日と台湾分断工作が出てくるというか、まずは米側のロビーだろう。
 その構図が成功するか? しないと思う。その前に中国が倒れてしまうだろうし、台湾のなかに呆れるほどの不屈の精神がある。私はそうした精神主義を取らない人なのだが、李登輝には呆れる。