夕方公園でぼうっとしていると

 三歳か四歳くらいの女の子がよってきて、なんか言うのだがよくわからないのだが、どうやら、アスレチック風の滑り台に登りたいのだが助けてくれということらしい。見ると、他にも子供がお猿みたいに登ったりしている。ま、ほいで、なんとなく、彼女を手助けする。
 と、図にのってまた来る。
 まあ、言いたいことはわかったので、iPodを耳につこんだまま応答。
 この子のにこっとわらう顔が、うーん、おまえさん年頃になったら間違いなくブスだなとか思うが、愛想はいい。愛想がいいっていうのはいいものだよ、かならず惚れる男がいるよ、惚れる男を選べよ、モテたいとか悩んでいる男じゃだめだぞとか思い、しばし、結局、遊び相手になる。
 この子の親がどっかにいるのだろうと思うし、三十くらいの女があちこち数名いるのだが、よくわからん。っていうか、こんなことしていると、俺は変態とか危険な人に見られるのではないかとも思った。
 適当にション便がてら場をハズシ、振り返ると、別に私がいなくてもよさげなので、引き上げる。
 木立を見上げながら、歳を取ったな俺と思う。
 二十年前、お嬢さんっぽい女の子とこんな公園をデートしたことを思い出し、あれは彼女の先生もいたなと思い出す。どういういきさつだったかすっぱりわすれたが、四十歳の独身の先生がついていた。二十台前半の私には銀河の果てくらいのババアである。彼女が、ぼそっと、結婚できた機会もあったのよね、とか言っていたのが記憶に残るというかその光景だけが、こんな秋の公園だったなと思い出す。
 あのババアが今の私より十歳ちかく年下である。
 なんつうか、孤独というものはある。こんなときはスーパーの冷えたカツ丼買ってかっくらうに限るなと思う。
 カツ丼を買って歩きながら、ふとあの人なつこい女の子のことを思い出す。
 まあ、あれはあれで孤独だったのかもしれないし、もしかすると、彼女は彼女なりに私を選び出したのかもしれない。
 孤独というのはそう悪いものでもないことはある。と、思いながらもなんかいらいらしてがーっとカツ丼を食った。うまくもない。