日経社説 研究費集中こそ不正の温床

 もっと根深い問題もある。政府の研究助成の制度は各省に散らばり、合計で約30ある。研究資金の配分機関は政府の省庁再編時にも整理統合されず、似たような制度がそのまま温存された。様々な助成制度が補完し合って多様な研究を支援するならいいが、科学技術予算が増加したのに伴い、各省や資金配分機関は重点分野で有力な研究者に殺到し、こぞって資金を注ぎ込んだ。
 不正が目立つのはこうした研究者であり、各省の安易な資金ばらまき、特定研究者への偏向がおごりや不正を助長したと言ってよい。これを改めない限り、不正の温床はなくならない。個々の研究者の研究費を把握するシステムづくりだけでなく、重複する助成制度、資金配分機関の整理、統合など思い切った手を打つ必要がある。それは無駄を排するためにもぜひ必要である。

 放言で言うのだけど、一部のスター研究者ってメディアとぐるっぽい。