日経社説 米欧不一致で遅れるレバノン停戦(7/28)

 まともなこと書いているのがかえって不思議。

 イスラエルの作戦の目的は可能な限りのヒズボラの軍事的な弱体化であり、最低限の目標はイスラエル領内へのロケット弾攻撃を不可能にさせるようレバノン南部国境地域を緩衝地帯にすることだろう。
 主要国首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)が軍事行動の自制を求め国際部隊派遣構想が浮上した後、米国はすぐに仲介外交に動かなかった。ヒズボライスラエル攻撃能力を保持したまま停戦するのでは将来に禍根を残すとする米国は、イスラエルに作戦遂行の時間をある程度与えたものと解釈できる。
 イスラエルは緩衝地帯を確保すれば、自ら占領せず後は盾としての国際部隊に委ねる計算だ。その点で今後のシナリオはかなり明白だろう。即時停戦を求め、国際部隊派遣に積極的な欧州諸国も、ヒズボラと自ら対決するリスクは避けたいから、派遣時期はイスラエルの作戦遂行が進んでからという本音がうかがえる。

 レバノンで殺されていく子供たちを見ると気が狂いそうになるが、この問題はこういうシナリオ以外現実に描かれていない。