非常識だといえば世間的には非常識なんだろうと思うが

 和歌山ヒ素カレー事件を思い出すのだが、詳しく知らないせいもあるのだが、私は、林眞須美容疑者は犯人ではないと考えている。あるいは、犯人だというふうにはどうしても考えられないとか、犯人だという確信が持てないというか。
 イデオロギーとか人権とか、そういうメタなことはなにも考えない。
 自分が生きてきた経験というか、社会の真理に対する自分の感性から、これはありえないというふうに思う。
 もちろん、自分が世間的に間違っているということを受け止められないわけではない。
 話がそれたのは。
 そういう、なんというか、世間との表面的な妥協によって、私は私の内面のなにかを延命させている。狡いのかもしれないが、どうも、世間というものがうまく納得できないという子供ときの思いは変わらない。