朝日社説 西村議員 図々しいにも程がある

 議員をやめないという理由も、常識はずれだ。北朝鮮による拉致の被害者救出にこれまで通り取り組むためだ、というのである。
 拉致被害者を救う活動の大切さは言うまでもない。だが、国民の信頼を裏切る犯罪に問われた西村議員が、何のけじめもつけずにかかわり続ければ、むしろ救出活動に悪影響を与えるのではないか。
 救出活動を大切だと思うなら、議員をやめて一市民として加わればいい。拉致被害者を持ち出すのは、議員の地位にしがみつくための口実としか思えない。

 私はどちらかというと西村真悟を批判的に見る。国際認識などの点で彼は論外と言っていいだろう。が、私は同時に彼を支援するしかない人のことも考慮する。今回の彼の態度は私心でしがみついているというものではないと私は思う。「議員をやめて一市民として加わればいい。」という言葉が、この問題に関わる人たちにどう響くのか朝日新聞はまるでわかっていない。それはイデオロギーとかの問題ではなく、この問題の深刻さの地表に朝日新聞は一度も降りたことがないからだ。