日経春秋

 ⇒春秋(12/14)

社会学者E・フロムは名著『自由からの逃走』で、帝国の圧政から解放され自由を得たドイツ人がナチス独裁になびいた理由を「自由は個人を孤独に陥れ、不安で無力にする。その重荷から逃れるため新しい依存と従属を求めた」と分析した。檻から出たコウノトリの行動も自由からの逃走のようだ。今日の勝ちが明日の負けにつながるのは世の習いか。自然は人間に色々と教えてくれる。

 馬鹿ですかと訊きたいのをぐっと抑えるのが大人といふもの。