もう20年以上前だが連れられて…その2

 某社長さんに奢られてというのか体のいい接待の員数だったのかま、たらふく極上中華を食って、それからカラオケに来いと。ですか、と。で、イヌのようについていって時を潰していたのだが、オメーも歌えと。それも、あの女と歌えとかいうのだ。いや、それは、いやだ。とにかくなんか歌えと。あの時の自分の心理が今もよく思い出せない。怒ってたのか、投げやりだったのか、泣きたかったのか、歌ったのは、「イチゴ白書をもう一度」。ぉぉなんつう歌だそれはというドン冷えの世界だが知るか。一緒に歌うはずだった女が、あんた暗いわねと言った、暗いよ。
 若い日は暗いものである。