話を卑近というか実感に戻すと…

 48歳にもなると、30年前など昨日のことのようだ。
 だが、たぶん、私は30年後は生きていない。
 いや生きているかもしれないが。それでもその時、60年前は昨日のようだ、というままだろう。
 30歳のときには、まだ、人生になにか実現すべきなにかがあった。
 今は、なにもない。
 ただ、生きているだけ。
 ただ、生きているだけいいじゃないかとは思うようになった。
 過去の夢や希望からもう解放されてもいい時期だ。
 どれだけ生きられるかわからないが、できるだけ普通になにげに、つまり、笑うことが多く生きていたいと思う。