自分にとって自分の人生とはこれっきりだったのだが

 ま、世間的にはハズレでした。
 48歳にもなり、なんの才能みたいなものの結局なかったのだな、オレは無能だなと思う。
 朝日新聞だのに馬鹿だのくさしているのは、そういう劣等感の裏返しかというと、いえいえ、どっちかというとただのエンタだろうと思う。
 人生に意味がなかったかと問いつめると、ま、そうでもなかった。
 ここで人生が終わりということでもないことを祈りたいが、こっそりいうとよい人生であったなとも思う。
 もっと自然や人間にふれあうようなチャンスがあればよかったかとも思うが、なかなか人生というはそういう思いのままになることではない。地球にははっと息をのむほどの美しいなにかがある。眼前に広がる暗い大海におちる雷は美しかった。鏡のように静寂な海にきっちりと登りだす太陽は神秘的だった。そういう限りない美はこの地球にある。
 人もすばらしい人がたくさんいる。
 しかし、そうすべてがうまく行くものでもない。
 ネット?
 なんだろね。こんなものに20年振り回されてきた。という言い方はないか。