自然を愛する…

 というのがよくわからない。というか、偽善を感じる。
 この歳になってしみじみ思うのだが、私は、どうやら植物に囲まれた環境でないと生きていけないようだ。オカルトみたいだが、植物の出すオーラのようなものが私をふーっと取り巻いてくれることでかろうじて生気を得ているように思うことがある。気のせい? ま、気のせいだろうとは思う。
 そうは言っても、園芸とか好きなわけでもない。トレッキングとか好きなわけでもない。いわゆる自然を愛するというのはまるで違う。
 狂気めいたことをいうのだが、私は、木のオーラのようなものをよく感じる。木には深い経験のような生きる力のようなものがあって、それが何かを放っているようにも思う。