毎日新聞社説 社説:視点・「アラブの春」 民主化の「逆説」を超えて=論説委員・布施広 - 毎日jp(毎日新聞)

 ムバラク前大統領は、自分が辞めればムスリム同胞団が台頭しエジプトはカオスに陥ると語った。その主張はある意味では正しいが、カオスを経ずに大きな変革が可能だろうか。
 民主化が復古的な「イスラム回帰」の動きを呼ぶのは中東特有のパラドックス(逆説)とはいえ、欧米流だけが民主主義の形態ではない。エジプト情勢などは楽観を許さないが、歴史的な「中東型民主化」への闘いを辛抱強く見守りたい。

 あまりの不見識にため息が出るばかり。
 エジプトの10%のコプト教徒がその「中東型民主化」のなかでどう位置づけられるのかが考慮されていない。

朝日新聞社説 武器輸出―三原則を緩和するな : asahi.com(朝日新聞社):社説

 野田政権が、武器の輸出を原則として禁じる「武器輸出三原則」を緩和しようとしている。週明けに、官房長官談話の形で発表する見通しだ。
 しかし、なぜ、こんな年末のどさくさに紛れるように見直しを急ぐのか。不見識であり、容認できない。

 「どさくさ」というのはそう。

 今回の緩和は、武器の共同開発・生産などで、一定の基準を満たすものは、一律に例外扱いする方針のようだ。
 要するに、例外を設けやすくする「例外の普遍化」を図ろうというのだ。
 だが、手がけた武器が、なし崩し的に第三国に輸出される可能性がある。
 一律に例外とする方式では、日本として一貫した方針に基づいて、有効な歯止めをかけられなくなる。

 ⇒民主党政権下で日本の武器輸出三原則が終わるだろう: 極東ブログ

朝日新聞社説 来年度予算―危機感がなさすぎる : asahi.com(朝日新聞社):社説

 震災復興関連を除く歳出は6年ぶりに前年度より減って90.3兆円。一方の歳入は、税収の42.3兆円に対し、国債発行が44.2兆円だ。「今年度並みの44兆円にとどめる」との約束はかろうじて守られた、と言いたいところだが、実態は違う。
 からくりは基礎年金の国庫負担にある。負担率を36.5%から50%に引き上げるのに必要な2.6兆円の扱いだ。
 過去3年間は特別会計などの「埋蔵金」をあててきたが、限界に達した。財務省がひねり出したのは、年金積立金を管理する独立行政法人に「交付国債」を出すという手法だ。
 交付国債は小切手のようなもので、受け取った独法側が現金に換えるまで政府は支出を免れる。来年度予算を取り繕うための負担の先送りで、これを加えると歳出総額は過去最大だ。
 からくりの二つ目は、先に決まった今年度の第4次補正予算案だ。総額2.5兆円の中に、本来なら来年度の予算案に盛り込むべき項目が散見される。前倒し計上で来年度予算の国債発行を抑える狙いが透ける。
 典型例が70〜74歳の医療費窓口負担の関連だ。政府は来年度から本来の2割負担に戻そうとしたが、民主党の反対で1割負担の維持が決まった。そのために必要な2700億円を、今年度の4次補正に入れた。

 メモ。

「アルメニア人虐殺問題」

 ⇒トルコ、対仏圧力強める 「アルメニア人虐殺問題」巡り  :日本経済新聞

 エルドアン首相は17日、記者会見でフランスによる旧植民地アルジェリアでの虐殺問題に触れ「自らの血塗られた歴史に光を当てるべきだ」と猛反発。トルコの野党も、国会に同問題を認定する法案を出した。

 映像は真実とはかぎらないが⇒フランスが犯したアルジェリア人無差別大虐殺 - YouTube