終風日報編集後記

 トップニュースが「読売巨人のマスコットが阪神のマスコットを寝取る」となごみ系になった。もう少し硬派に絞るべきか悩むところ。しかし、こうしたところがツイッター新聞らしいとも言える。▼オスロ惨劇の話が続くが、昨日犯人と目される人物の1500ページもわたる論文をダウンロードしてぱらぱらと捲ってみた。英語で書かれていた。爆弾の作り方なども執拗に書かれていたり、パーソナルな写真などもありと雑多な印象であり、なにより書籍としての全体構成はなかった。▼日本についての記述があるものかと捲っていくとそれなりにあるのだが、韓国や台湾とペアになっていて日本の独自性についての考察はない。もちろんそれでもよいのだが、反イスラムのくくりがインド圏・中華圏にも及んでいる。たしかに右派でありキリスト教原理主義と言えないこともないが、ナチ的な民族妄想とは違って、ある種の文明論的な考察でもあった。▼それは思想的な事件なのか?そういう問いをおそらく多くの人は立てたくはないだろうが、欧米でのこの扱いは、そこに思想が潜まれているのかという解析に向かっている。現状ある程度わかっていることは、この「思想」は彼の独創というより、ある種の文明史観のコミュニティーの産物に見えることだ。

毎日新聞社説 社説:英紙盗聴事件 大衆を裏切った大衆紙 - 毎日jp(毎日新聞)

大衆の味方だったはずの大衆紙が大衆を裏切り、一般の人々を敵に回したのが今回のワールド紙の事件だ。廃刊によって168年の伝統を捨てるという代償は、自ら招いたものといえるだろう。

 大衆紙が狙うのは大衆の関心であり、裏切るというならその関心への裏切り。そう見るなら、まさに大衆紙のあっぱれな末期。
 廃刊もまた、マードック氏の経営が生きている証拠。TBSは今日死にましたといって生きてつづけるよりはまし。

朝日新聞社説 中国鉄道事故―背伸びせず原因究明だ : asahi.com(朝日新聞社):社説

 野坂昭如が、新幹線の事故を予言しつつ、ついに当たることがない。中国のこの事故のようなものを想定していたのだろう。
 新幹線と原発は似ているところがある。前者も以前はまた嫌われている面もあった。
 中国のこの事故についてだが、いろいろ語りやすいせいもありいろいろ語られているが事実は意外に少ない。つまり、実際にはなんとも言い難い事故。