終風日報編集後記

 トップニュースが「読売巨人のマスコットが阪神のマスコットを寝取る」となごみ系になった。もう少し硬派に絞るべきか悩むところ。しかし、こうしたところがツイッター新聞らしいとも言える。▼オスロ惨劇の話が続くが、昨日犯人と目される人物の1500ページもわたる論文をダウンロードしてぱらぱらと捲ってみた。英語で書かれていた。爆弾の作り方なども執拗に書かれていたり、パーソナルな写真などもありと雑多な印象であり、なにより書籍としての全体構成はなかった。▼日本についての記述があるものかと捲っていくとそれなりにあるのだが、韓国や台湾とペアになっていて日本の独自性についての考察はない。もちろんそれでもよいのだが、反イスラムのくくりがインド圏・中華圏にも及んでいる。たしかに右派でありキリスト教原理主義と言えないこともないが、ナチ的な民族妄想とは違って、ある種の文明論的な考察でもあった。▼それは思想的な事件なのか?そういう問いをおそらく多くの人は立てたくはないだろうが、欧米でのこの扱いは、そこに思想が潜まれているのかという解析に向かっている。現状ある程度わかっていることは、この「思想」は彼の独創というより、ある種の文明史観のコミュニティーの産物に見えることだ。