今日の大手紙社説

 組閣関係は明日の話題か。
 メラミン問題と公明党問題が話題。メラミンについては「有害物質」だそうだ。そりゃそうだけど、毒性のことをメディアはわかってなさげ。わざとらかもだが。
 公明党問題については、日経のところに書いた。あまり触れたくない話題だよな、これ。

日経社説 公明党は重責を自覚せよ

 公明党は1999年10月以来、自民党と連立を組み、影響力を発揮してきた。次期衆院選は自民、民主の2大政党のどちらを選ぶのかという政権選択選挙となるが、公明党は引き続きキャスチングボートを握る可能性が高い。公明党は責任の重さをよく自覚してもらいたい。

 読売、毎日でも触れていたけど、まあ、公明党については言及したくない話題だが、まあ、Xデー関連もあるだろうし、功罪の功としては、いわゆる上げ潮の理念に一番近い都市民政党だったりもする。
 穏和なかたちで自民党的なものに解体するか民主的なものに変質するかはあるけど、そのあたり民主党側から合口をつけてみるのもいいかもしれない。という意味で、民主党選択というのもありかも。

日経社説 日本勢は米金融危機を好機にできるか

 ただ、日本勢が今回の米金融危機を真の「好機」にできるかどうかはまだ不透明だ。欧米勢がいま期待するのは当面の資本増強や信用補完であろう。危機から復活した後でも、欧米勢とどう連携し、影響力を行使するのか、明確な戦略を持って出資や提携に臨む必要がある。多額のジャパンマネーを米金融機関などにつぎ込みながら、経営管理のノウハウなどが足りず、現地での足場づくりに失敗した1980年代後半の経験を繰り返すようでは困る。

 繰り返すよ。

読売社説 メラミン牛乳 中国産食品の検疫を厳格に : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 中国では有害物質「メラミン」を含んだ粉ミルクが原因で乳児が死亡し、何万人もの子どもが健康被害を訴えている。

 読売にはサイエンス部門はないのか。

 昨年、米国で中国製原料のペットフードを食べた犬や猫が多数死んだ問題は、やはりメラミンが原因だった。にもかかわらず、メラミンを検査項目に加えていなかった。化学物質は想定外、との甘い姿勢は改めねばなるまい。

 これは想定されていたことでもあったわけで、もうちょっと言うと、メラミンの毒性は低いからそれほどという甘さはあったかも。幼児でかつ大量に摂取させるとうい状況まで想像できなかったということかな。

 一方で、日本においても事故米が不正転用されるなど、食をめぐる不祥事が相次いでいる。中国に毅然(きぜん)としてモノを言うためにも、関係官庁、食品業界は足元を総点検し、襟を正す必要があろう。

 中国に毅然とやらに言うのだったら、アジアにおける日本の食の信頼感(大旦那感)を出すのが専決。
 参考⇒極東ブログ: 日本の備蓄米放出の話、その2

読売社説 米証券への出資 日本の金融機関が攻勢に出た : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 郵政選挙の際日本の富が外資に取られるとか騒いでいた人々はこれでご安心ってやつかな。事態はむしろ悪い可能性があるのに。

朝日社説 メラミン問題―海またぐ食の安全管理を : asahi.com(朝日新聞社):社説

 この粉ミルクに入っていたのが、有害物質のメラミンだった。さらに中国の他の大手企業の牛乳やヨーグルトにも含まれていることが発覚し、中国の人たちを不安に陥れている。

 有害か有害ではないかといえば有害だけど、「有害物質」と書くのはどうだろ。急性毒性は低いはずだが。

 こうしたメラミン混入は、なぜ、これまで発覚しなかったのか。加工企業や行政機関は知らなかったのか。中国の捜査当局は事実関係を解明し、責任の追及を急いでもらいたい。

 そういう手口をやすやすやってのけるというのが想定外だったわけで、メラミンの検査がなかった。なので、これから検査体制を取るべきなんだけどそのあたりの指摘は朝日にはないと。

 丸大食品は中国の事件の巻き添えになったかたちだが、今回の教訓は、原材料の一つひとつに至るまで責任を持って安全性を確かめなければならないということだ。それは消費者の安全を守るだけでなく、企業の信用を保つためにも欠かせない。

 「原材料の一つひとつに至るまで責任を持って安全性を確かめなければならない」こういうブレ方がなあ的。中国野菜の蓚酸やお茶のアルミニウムとか調べて公表しますかね。
 今回の丸大食品のパンダなんたらだけど、まあ、これは回収しやすいから回収すればいいけど、一度メラミンの残留を測定して、きちんとメラミンの有害性とやらと合わせて報道したらどうなんだろ。
 これで牛乳は国産だにシフトすればナイスなのか国内報道の騒ぎがなんとも。

 中国からの冷凍ギョーザや国内の汚染米問題で食の安全が揺らいでいる。対策は、大胆に迅速に、である。

 食の安全が揺らいでなかったとか思っている過去の中毒の統計とか見てみたらいいんじゃないか。

テキストに知性があるかないかを見分ける1つのポイント

  1. 自分が知性を持つように日頃心がける

 
inspired by テキストに知性があるかないかを見分ける10のポイント - ハックルベリーに会いに行く
 
 おまけ。
 どうやって知性を持つように心がけるの?

  1. プログラムを学ぶじゃないんだから、きちんとした勉強せーよ(わかりやすさより、正統な入門書から学ぶこと)
  2. 字引の使い方を覚える(むずかしくいうと文献学の知識)
  3. 老人の話を聞く

池信先生、宣わく

 ⇒ガラパゴス化が進む日本のウェブ

 これに対して、日本のブログでそれほどの影響力を持つものは皆無だ。Diggで最近の人気記事を見ると、上位のほとんどは米大統領選挙関連だが、「はてなブックマーク」の人気記事にはリーマンも自民党総裁選もなく、身辺雑記とオタクネタが並んでいる。日本のブログの作者も読者も社会的な関心が薄く、狭い世界に引きこもっているのだ。

 そうかもしれないけど。
 自分が書いている極東ブログでは社会的な話題もあるかな。
 だとすれば、なんだけど。
 わたしは「狭い世界に引きこもっている」からですよ。
 いちおうはてなダイアリーとか書いているしtwitter/wassrとかfeecleとか使って狭い世界も使うけど、ブログという枠組みでは、自分の関心を引きこもらせている。
 はてなブックマークが偏るのは、関心の持ち方が引きこもって無くて、他者に関心を持ちすぎるからなのではないかな。
 ネタで集まる共同体意識というか村意識が強いからでしょ。
 はてなできたない罵倒が飛び交うのも日本の村意識そのものじゃないの。

興味深い視点なんだけど

 ⇒アメリカの金融制度はどこから来てどこへ行くのか - FIFTH EDITION
 日米の銀行ってかなり違うと思うのだけど。
 このあたり⇒極東ブログ: [書評]ウォルフレン教授のやさしい日本経済(カレル・ヴァン ウォルフレン)

意外とむずかしい問題かな

 ⇒天漢日乗: 佐々木俊尚『ブログ論壇の誕生』文春新書→商業出版や商用サイトが個人blogを引用しても連絡してこない件

佐々木さんは忙しいんだろうけど(凄い数の講演をこなしているらしい)、他人のblogをタダで見て原稿料を得ているんだから、最低でも、掲載月には、参照したblogにはメールで一言挨拶しておけばいいのに、と思う。
ちなみに拙blogが、なにかに引用されて挨拶が来たことは、ある美術雑誌から一度だけあるが、それ以外は、商業誌や商用サイトに引用されても、何も言ってよこしたことはない。ネットで飯を食ってる年月が長い日経BPアスキーでもそうだ。

 新聞と各種雑誌みたいな関係というか、その他雑誌と取材対象みたいな関係だと、それほど不思議ではないんだけど。けどというのは、天漢さんのいわんとする感覚みたいのはちょっとわかるところがあって、意外とむずかしい問題かな。

「出典を明示する」そして「商業出版や商用利用の場合は、著作権者に連絡を取る」って普通のことだと思ってたんだけど、blogを利用した出版や商用サイトでは、どうもそうじゃないらしい。

 原則からすれば、それなりに出典が明記されているし、商業出版とはいえ、それが利益の源泉ではないので、この本については問題にならない、というのはあるだろうけど。

既存の出版メディアは、多分
 blogなんて「活字」より下の位
だと思ってるんじゃないかな。だから、商業出版や商用サイトでは、個人blogは勝手に引用してもいいし、引用しても連絡を寄越さないのが当たり前と考えているフシがあるのではないか。

 そのあたりは過去のメディアの慣行もあるのだろうけど、いわゆる「目線」的な意識の問題はあるかな。

モラル・ハザード関連

 ⇒モラル・ハザード - 池田信夫 blog

最近の金融危機をめぐる報道で、「モラル・ハザード」という言葉がよく出てくる。新聞ではたいてい(倫理の欠如)と補足しているが、これは誤訳である。この言葉は保険用語で家の燃えやすさなどの"physical hazard"(物質的危険)と対になる概念で、Slateの記事にも書かれているように、moralは「倫理的」という意味ではなく"perceptual or psychological"という意味だ。つまり"moral hazard"は、保険に入ったことで防火を怠るなどの「心理的危険」のことである。

 池信先生への異論ではないのだけど。
 "perceptual or psychological"の"psychological"の語感は日本語の「心理」というより、「規範意識」に近いはず。
 商慣例にはルールがあり、次にethicsがあるのだけど、このethicsに近い部分。
 だけど、池信先生先生の。

これを防ぐには、リスクの高いエージェントの保険料を引き上げるなどの対策が有効で、倫理とは関係ない。

 とあり、じゃ「倫理」じゃないのとなりがちで、そこが微妙なんだけど、日本語の「倫理」というのとethicsは若干違い、ethicsは、"Code of Ethics"という言葉があるように、日本人が内面的な道徳・倫理と捉えているものではなく、信頼に対する明示された規範行動への信頼のような含みがある。(基本的に、psycheというのは心的というより脳機能作用といった語感。)
 今回の状況だと。
 ⇒極東ブログ: つまり、第二のプラザ合意みたいなものかな
 でふれたサミュエルソンのコラムにこうあるんだけど。

Objections to Paulson's proposal abound. It would rescue some financial institutions from bad decisions and erode the normal discipline of potential losses. Some investors doubtlessly bought subprime securities at huge discounts and would reap massive profits by reselling to the government.

 この"normal discipline"のerosionが"moral hazard"になると、思う。
 
 ついでいうと、この感覚は、creedの意識に関連しているのだけど、そこまでいうと日本人にはほぼ通じないのではないかな。

ちなみに

 ⇒No need for import ban on Chinese milk products-WHO - Forbes.com

GENEVA, Sept 23 (Reuters) - The World Health Organisation has no reports of infants outside China and Hong Kong getting sick from toxic milk formula and sees no need for an import ban on Chinese milk products, a WHO expert said on Tuesday.

'We have no reports of infants with kidney failure or stones in other countries,' said Danilo Lo-Fo-Wong, a senior scientist in WHO's food safety division.
 
'The WHO is concerned with public health in all member states but does not recommend to just ban all Chinese milk products, at least not at this stage,' he said.

 ⇒FDA expands checks for Chinese milk products | U.S. | Reuters
 ⇒The Associated Press: China's milk scandal bares government shortcomings

FBI動く

 ⇒FBI investigates Fannie Mae and Lehman Brothers - Times Online

However, it is now understood that the FBI is now looking at 26 cases of potential corporate fraud related to the collapse of America's mortgage industry.
 
Robert Mueller, a FBI Director, told Congress a week ago that 24 cases of potential corporate fraud were under investigation, up from 21 disclosed by the bureau in July.

WHOが見る違った角度の問題点

 ⇒Breastfeeding Drop Exposed in Milk Scandal, WHO Says (Update1) : Bloomberg.com: Asia

Contaminated baby formula that killed at least four infants in China exposes a danger in the decline in breastfeeding that is also depriving babies of the best nutrition, the head of the World Health Organization said.

WHO Director-General Margaret Chan, 61, said the scandal underscores the importance of breastfeeding, a practice fewer mothers are choosing in some Asian nations. Retail sales of infant formula are projected to climb 19 percent to $8.5 billion in the region this year, helped by a 29 percent jump in China, according to London-based Euromonitor International Plc.

あとこれね

 これ⇒厚生労働省:育児用調製粉乳中のEnterobacter sakazakiiに関するQ&A
 これ⇒Epoch Times - Deadly Bacteria Found in Sanlu Products

A pathogenic bacterium has been found in milk powder that was also contaminated with melamine, according to a report in the Lanzhou Daily.

日本の砂糖消費量は他国と比べるとけっこう少ない

 ⇒主要国の1人当たり砂糖消費量 (2002/03年〜2008/09年) :
 減ってきた⇒我が社のひとこと日記: 砂糖国内消費の減少

では、どのくらい減っているかというと、わが国消費のピークは昭和48年、318万トン強あった。当時国民一人当たりの年間消費量が29.18kgあった。
昭和54年の311万トン以降段々減り続け平成5年に250万トンを切り(一人当たりの消費は20kgを切り19.65kgに)今年度は220万トンを下回るまで減っている。(一人当たりの消費は17.1kgに)