朝日 オバマ米大統領再選―理念を開花させる4年に : 朝日新聞デジタル:社説

 厳しい財政削減を求める保守運動「ティーパーティー(茶会)」が勢いづき、2年前の中間選挙では共和党が下院で大勝した。同党は徹底して政権に非妥協的な姿勢を貫き、政治が動かなくなっていた。

 いや、これ非妥協的だったのは、オバマさんも同じなんだが。皆保険のような政策を下院が民主党優勢だったことで押し通してしまって、妥協点を探らず、結果的に司法がこれを税法に落ちつけたけど、その部分で共和党と妥協できる余地があった。そもそもこの保険制度は、ロムニー州知事行政が事実上のモデルになっているのだから、共和党と妥協の余地があった。

 共和党も大統領選で示された民意を受けとめるべきだ。「茶会」のような急進的な主張は、国民的な支持を得ていないことがはっきりした。協調すべきは協調しなければならない。

 これもひどいな。共和党は「茶会」と同じではない。むしろ、共和党も大統領選挙のときは中道を取り込まなければならず、そのシフトのなかでロムニーに合意していったのを茶会党がむしろ足を引っ張っていた。というか、朝日のこの論法、共和党バッシングの修辞のまんまですよ。

 ロムニー氏は、オバマ氏の医療保険改革の撤廃を訴えた。だが、しっかりしたセーフティーネットの存在は、経済にも好影響をもたらす。共和党も改革を受け入れるべきだ。

 これに至っては何を言っているのかという印象。現実問題、現行オバマケアは税法の位置づけであり、財政の裏付けを必要としている。だから、そこが現在問題なんで、政府が打ち出の小槌でざくざくカネが出せるわけではない。

 希望の兆しもある。
 選挙の直前になって、失業率は2カ月続けて7%台に下がり、9月の住宅着工件数も4年2カ月ぶりの高い水準だった。回復の軌道に乗りつつある、との見方が強い。
 この流れが続けば、政権基盤が安定し、社会のぎすぎすした空気も和らぐだろう。

 これは、FRBの政策で、政府から事実上独立なんですよ。むしろ、共和党に近いバーナンキオバマを支援するような政策を出しても、共和党は文句を言わなかったあたりに米国の本当の強さがある。

 中東は「アラブの春」後の秩序作りで揺れている。内戦状態のシリアでは多数の死者が出て、暴力がやむ気配はない。イラン核問題も緊迫している。

 ベンガジゲートを修辞でもみ消したように、その内実はお粗末なものだった。
 まあ、なんというか、オバマ民主党=リベラルとかいうこのどうしようもない神話はどうにかならないものだろうか。政治というのは、そう簡単に割り切れるものではないし、利害はかならず対立する。理念を前提にするのではなく、利害調停の全体像が求められるのに。