朝日 119番―SOS逃さぬ仕組みを : 朝日新聞デジタル:社説

 この10年で全国の救急出動の件数は24%増えた。一方、救急隊の数は8%増にとどまり、需要増に追いつかない。しかも搬送した人の半分は結果的に軽症だった。「必要な人に、はやく確実に」は簡単ではない。
 それでも、症状が軽そうだからと、通報段階でふるい落とす方法はとるべきではない。
 近年増えているのは高齢者の通報だ。横浜の統計では、高齢者は実際に症状が重かった人の率が他の世代より高い。高齢化という社会構造の問題は、ふるい落としでは解決しない。
 消防庁も「要請があれば原則出動」の方針を変えていない。
 数年前には、救急車をタクシー代わりに呼ぶような通報の多さが問題になった。一部自治体は、消防のサイトに家庭で症状を診断できるリストを載せたり、119番の前に電話相談できる窓口を設けたりしている。
 不要不急の通報減らしは、こうした地道な試みを広げることで図るしかない。

 常連者基準を設けて、特別に対処しないと、制度そのものがつぶれそうな印象はあるんだけどな。
 実際に救急を担当されているかたのご苦労を目にしたことがあるので、難しい問題だろうなとは思う。