日経 原発ゼロを性急に選んでいいのか  :日本経済新聞

 原発をすべて止め火力発電で代替したと仮定すると、石油や天然ガスの輸入額が年間約3兆円余分にかかる。これは東日本大震災前の10年度に国内の全製造業が稼ぎ出した経常利益(約16兆円)のおよそ5分の1に相当する。
 化石燃料の輸入が増え続ければ、19年度にも日本の経常収支が赤字に転じる可能性があると、日本経済研究センターは試算する。
 燃料調達費の増大と電力不足は日本経済に多くの面でマイナスの影響を与える。企業の生産能力の低下やコスト上昇につながり工場の海外移転を加速する恐れが大きい。雇用や所得の減少をもたらし国民生活を圧迫するのが心配だ。
 家計は電気料金があがっても節約で支払いを減らし、賄えるかもしれない。しかし製造業、とりわけ円高などでぎりぎりの経営を強いられてきた中小・零細の工場にとりエネルギーコストの上昇は死活問題だ。
 電力は暮らしや産業の基盤であり電気は現代社会の「血液」といえる。万が一にも途絶すれば、経済や社会がまわらなくなる。

 そういうこと。
 愚かな戦争で国土を灰燼に帰したものだが、また愚かさで国土灰燼となるだろうと思う。それが日本の歴史というなら、しかたないではないか。