東京 東京新聞:追加金融緩和 小出しでは効果がない:社説・コラム(TOKYO Web)

 日銀は国債など資産を買い入れる基金枠を現在の六十五兆円から五兆円程度増やす。国債の買い入れ枠を十兆円増額する一方、既存の金融機関向け融資枠を五兆円減らし、差し引きでは五兆円の増額になる。
 ただし、これはあくまで「枠」にすぎない。実際に買い入れが完了し、約束したマネーが市場に供給されるのは二〇一三年六月だ。

 遅いんだよね。

 同時に発表した「経済・物価情勢の展望」では、二〇一三年度の実質国内総生産(GDP)伸び率を政策委員見通しの中央値で前年度比プラス1・7%成長と見込んだ。消費者物価指数は同じくプラス0・7%の上昇だ。
 一一年度のマイナス成長、物価下落からは反転するものの、デフレ脱却には遠い。展望は「1%に遠からず達する可能性が高い」と楽観的だが、欧州危機の再燃もささやかれる中、甘い見通しは消費税引き上げ論議にも微妙な影響を与えるだろう。
 本来なら、消費者物価上昇率で1%のインフレ目標を2%にまで引き上げ、かつ達成時期についても明示する必要がある。指数が高めに出る統計上の誤差を考えれば、1%では実質的に0%程度にしかならない。
 世界的に見ても、米国の連邦準備制度理事会FRB)をはじめ2%程度が標準になっている。

 そういうこと。
 この点は東京新聞だけがまとも。