日経 中国景気の軟着陸をめざす人民元改革  :日本経済新聞

 成長率は1〜3月期が底で、4〜6月期からは緩やかな回復をうかがう局面に入る、といった声も市場では出ている。当局が昨年後半から徐々に金融政策を緩めてきた効果が期待できるうえ、先月の全国人民代表大会全人代、国会に相当)で今年の予算などが採択され、公共事業もこれから活発になる見込みだからだ。
 ただ軟着陸シナリオを脅かす問題がないわけではない。1つはインフレだ。3月の消費者物価上昇率は前年同月比3.6%で2月を上回った。一層の金融緩和に当局は慎重にならざるを得まい。

 不良債権の問題への言及がないように思えた。こみ入った問題もあるのでもう少し深い議論が必要。

 ここにきて不安の種となっているのが、政治的な動揺だ。薄熙来・前重慶市共産党委員会書記の事実上の解任は、今年後半の第18回共産党大会をにらんだ政争が背景にあるとみられる。
 政治が緊迫してくると、中国の当局者はリスクを避けようとする傾向を強めがちだ。人民元の変動幅拡大は改革を進めようという当局の意欲を示したが、政治的な思惑で政策の転換が遅れたり、情報が目詰まりをおこしたりするおそれは否定できない。

 ここは話が逆で、経済問題が共青団の危機感を表している。