日経新聞社説 対中関係の安定を選んだ台湾の有権者 : 対中関係の安定を選んだ台湾の有権者  :日本経済新聞

 2期目の馬政権に対し、中国は統一に向けた政治的話し合いを求める可能性がある。ただ、中国との統一を望む台湾の有権者は少なく圧倒的な多数は現状維持を希望している。勝ったとはいえ馬総統の得票率は前回を下回った。
 中国は台湾の民意を読み誤るべきではない。共産党政権はいまも台湾に対する武力行使の可能性を否定していない。これでは台湾の有権者の信頼は得られまい。
 一方の馬総統も、民意を踏まえた慎重な対中政策が求められる。総統選と同時に実施した立法委員(国会議員)選挙で、国民党は過半数こそ維持したが議席を減らした。格差の拡大や高い若年失業率など、民進党が提起した経済問題への取り組みも問われる。
 民進党は惨敗した4年前に比べれば党勢を盛り返した。同党と国民党が競い合う二大政党制が一段と定着した印象だ。停滞している中国の政治改革を促す力を、台湾の民主主義は秘めている。国民党の強力なライバルとして一層の努力を民進党に期待したい。

 バランスよく書けている。

 東日本大震災に対する台湾からの義援金は空前の規模だった。日本にとって台湾は米国に次ぐ第2の貿易黒字の相手で、物心両面で日台のきずなは強い。台頭する中国とどう向き合っていくかという課題も共有している。しっかりと関係を深めていきたい。

 このあたりも「親日国」より重要。