これなんだが

 読むことを勧められて読んだんだが。
 ⇒放射能予防にいい食べ物|Angieの日記
 ちょっとこれは、どうかなと思うのでコメントしときますかね。私は専門家ではないので不確か情報をまき散らすことになりかねないので、その点は、よく考えて他の情報にもあたってくださいな、と。

「体を洗いましょう(除染)といった対策は、非常に大事で、被爆を防ぐ第1歩です。」

 これはそのとおり。

「しかし、次に問題になるのは内部被爆です。」

 これもそのとおり。

放射能が入りにくくする、そして体の新陳代謝を高める

 このあたりから、疑問。「体の新陳代謝」を高めるというのは摂取チャンスもふえるので、一般論としては言い難いはず。

ペクチン。そのほか食物繊維。体内に吸収した放射能を排出促進する作用があります。私が知っている限りでは、今世界で一番効率よくペクチンが体内に出るのは「ビタペクト2」です。要するに胃や小腸で、ペクチン放射能性物質を吸収し、体外に出してくれます。

 「ビタペクト2」がなんだかわからないのだけど、固有の栄養食品とか出てくる話は基本的に注意したほうがよいです。ペクチンは特許された薬剤ではありませんし。
 で、「ペクチン放射能性物質を吸収」なんだけど。ここが難しい。
 ちょっと別ソース⇒リンゴのペクチン研究|脱原発の日のブログ

1.ペクチン含有の食品、飲み物の摂取を積極的に心がけること
(特に、リンゴ、干しブドウ、ブドウ、海藻類にはペクチン室が豊富なので積極的に摂取する)

 ペクチンに注目すると他の放射性物質への警戒が薄れそう。海藻類は今後近海ものは恒常的に汚染されるとみてよさそうなので、そのあたりにも注意。
 ほいで難しいのは、ここ。

9.ペクチンは消化管でCsに科学的にイオン結合するといわれており、他にも暖衝作用、吸着力、解毒作用(G.Malyoth)と静菌作用(田澤)を発揮することから結合的に便量を増やしCs-137にも有効に作用すると思われる
10.ペクチン摂取は、血清K,Zn,Cu,Feなどの微量ミネラルのバランスには影響しない(V.Neeterenko)

 9はキレーションを言っているみたいだがペクチンでイオン結合のキレーションというのがよくわからん。酸の話ではないのか。ペクチン酸の働き?
 で重要なのは、「ペクチン摂取は、血清K,Zn,Cu,Feなどの微量ミネラルのバランスには影響しない」が本当かということ。
 一般的には⇒Side Effects Of Pectin | LIVESTRONG.COM

Mineral Depletion
As the fiber from pectin moves through your digestive system, it may block the absorption of certain essential minerals into your blood stream. The uptake of calcium, magnesium, iron, and zinc may be decreased because they may become trapped amongst the fiber particles in your intestinal tract and, as a result, cannot pass through the walls of your intestine and into the blood. In order to ensure adequate absorption of minerals, take pectin and mineral vitamins separately.

 米国ではミネラルの吸収を阻害すると考えられている。
 ただし⇒食品とカルシウム吸収について

食物繊維および植物性成分
 食物繊維はカルシウム吸収を阻害し、カルシウム出納を負にすることが知られている。この阻害作用の研究報告は多く、特に全粒小麦製品やふすまを用いた研究が多い。
 McCance らは、精白小麦粉に比べ、未精白小麦粉の方がカルシウム吸収を阻害するとしている。また、被験者に食物繊維として、1日当たり53gになるように全粉小麦パンやふすまを含んだビスケットなどを21日間摂取させたところ、カルシウム出納が負になったと報告されている。
 小麦ふすまにはフィチン酸が多く含まれており、これがカルシウムと結合して、不溶性の化合物を形成し、カルシウムの腸管吸収を阻害するのではないかと考えられている。このほか、野菜や果物に含まれるセルロース、ウロン酸、アルギン酸、蓚酸がカルシウムの吸収を阻害するが、ペクチンは影響しないという。しかし、いずれも量的なバランスの問題であり、適量の摂取のうえにカルシウム摂取に心がけることが肝要である。

 その他、水溶性繊維は必須脂肪酸の摂取も阻害する。
 まとめると、チェルノブイリのような状況でリンゴペクチンの摂取が勧められるのはわかるが、日本の現状で過剰なペクチン摂取は他のミネラルバランスを崩す可能性もありそう。
 話を戻して。

「ビタミンA、C、E。細胞内に放射能が入り込むのを防ぐ働きがあります」

 抗酸化作用を言っているのだろうと思う。概ねそうというくらいの話で、つまり、特に放射能がという文脈ではないでしょう。

「フラノボイド。同様に細胞内に放射能が入り込むのを防ぐ働きがあります。」

 これも抗酸化作用だと思われるので同じ。

「アルギン酸ナトリウム。要するに海草のことで、昆布などの表面のぬるぬるした部分がアルギン酸ナトリウムです。特に褐色の海草のほうがいいようです。(昆布など。)体内に吸収した放射能を排出促進する作用があります。」

 これは微妙。
 まず海草は今後長期の汚染が懸念されること。
 アルギン酸ナトリウムは問題ないが、紅藻類のカラギナンは癌のプロモーターなので海草=健康食品とはならない。

「炭素系合成腸内吸着剤。つまり木炭のことです。日本人も昔は腹痛に効くということで、炭を薬にしていたのですが、現代人にはなじまない方法ですね。ベラルーシは炭が薬品として飲みやすく製品化されて薬局で廉価で売られているのですが・・・。 ただこれは短期使用に限ります。最長2週間で服用をやめるほうがいいです。」

 この情報は一般には関係ないでしょう。

「フェロアシン化鉄製剤。プロシアン・ブルーのこと。セシウムが体内に蓄積するのを防ぐ効果があります。しかしこれも、日本では顔料として使われていて、薬品としては商品化されていないようですね。」

 これもよほどのセシウム同位体の汚染の場合でしょう。

被爆後、貧血になる人が多いです。鉄剤を飲んでください」

 鉄材は中年男性や閉経後女性の場合は鉄分過多になりかねない。つまり活性酸素源になりうる。
 貧血かどうかは医師の判断に従うこと。

「セレンには免疫力を高め、さらに放射線防御の働きがあります。」

 セレニウムは成人男性で35μgが標準。おそらく漁食の日本での欠乏はないと思われるし、上限は400μg、つまり過剰摂取の危険性もある。問題は、今後魚が汚染された場合のこと。

たんぱく質に含まれる必須アミノ酸セシウムストロンチウムの体内蓄積量を減らします。」

 よくわからない。必須アミノ酸はこの文脈にかかわらず必要。

カリウム。これが不足すると体内にセシウムが蓄積しやすくなります。普段からカリウムの多い食品を摂りましょう。バナナ、干しぶどう、ココアなどがいいです。」

 腎臓疾患を持っている人は知らされているはずだけど、危険になりかねない。
 カリウムの過剰摂取は、いろいろ問題も懸念される。⇒カリウム摂取量、血圧とは無関係に脳卒中の危険因子に−−NHEPS研究より:日経メディカル オンライン

ベラルーシではローズピップの実が含むビタミン群が、……」

 ビタミンCやヘスペリジンなので先の話のダブり。

「利尿剤や下剤は効き目がありません。アルコールの摂取もよくありません。」

 この項目は関係なさそう。
 
 まとめると、現状の日本の状況で、なにかを摂取することで放射線による内部被曝を防げるというものは、私としては想定しづらい。それに栄養バランスというなら、特定食品の機能性を過剰に重視しないほうがいいでしょう。
 むしろ、長期汚染が懸念されるので、セシウムなどをためやすい食品に注意するといったところかと思う。
 
追記
 「ビタペクト2」の情報があった。
「リンゴの皮」は放射性物質「セシウム137」を体外に排出する|Legend Of Mine

ペクチン 4353mg  
ビタミンB12 0.6μg
ビタミンB2 0.2mg
ビタミンB6  0.7mg
葉酸 40μg  
ビタミンC 20mg  
ビタミンE 3mg  
サッカリン 20mg  
乳糖 150mg  
カリウム(K) 125mg  
セレン(Se) 0.015mg
ベータ・カロチン 1mg  
亜鉛(Zn) 3mg  

 特にどってことないサプリメントという印象。(率直にいうとペクチン以外特に無駄っぽい。)
 アップルペクチンのサプリは米国ではこんな感じ⇒<Apple Pectin by Vitamin Shoppe - VS-1481 - at The Vitamin Shoppe
 5000mg入っている。100粒で500円くらい。送料は別だけど。
 まあ、この程度飲んでどうということはないと思うし、普通にありがちなサプリメント
 
追記
 その後、ちょっと調べてみると、アップルペクチンにはそれなりに効果があるという研究を読んだ。ご参考までに。
 COMPARISON OF THE EFFICIENCY OF THE RECUPERATION OF CHILDREN OF THE CHERNOBYL DISTRICTS OF BELARUS IN THE NATIONAL SANATORIA AND ABROAD ⇒http://www.physiciansofchernobyl.org.ua/eng/Docs/Nesterenko_and_%20all_report.pdf
 チェルノブイリ地区の放射性物質からの開放⇒http://satvik.jp/herbs/Chernobly.pdf
 日本の学者のまとめ⇒http://www.2525258.co.jp/pdf/chernobyl-comment.pdf
 ただ、田澤賢次さんというかたは、マイナスイオンとかの推進者みたいでもありますね。