朝日新聞社説 シリア危機―弾圧をやめ、民主化を : asahi.com(朝日新聞社):社説

 またまた朝日新聞臭い社説だなと思った。どこが。中国様へのご配慮と浮ついた戦後民主主義の幻想である。

 国内では、アサド大統領が属する人口の1割の少数派イスラム教アラウィ派が、秘密警察を使って、多数派のスンニ派住民を支配する強権体制である。
 現アサド大統領は11年前に死んだ前アサド大統領の息子だ。共和制でありながら2代40年におよぶ権力の世襲が続く。長期政権の下でアサド一族やアラウィ派、政権に協力するキリスト教徒らが政府に保護されて経済を独占し、腐敗がはびこる。

 厳密にいうといろいろ問題はあるが総じてアラウィ派はシーア派とみてよく、すでにオバマ大統領もいらだっているがイランからのちょっかいもあり、これが問題をこじらせている。イランといえば中国様の無謀な肩入れがあれ、さても朝日新聞としてはこの構図は出しづらいというところで、こんな社説になっちゃったという代物。
 キリスト教徒らは保護されているとありそれも間違いではないが、昨年来の中近東騒動の流れでみると中近東キリスト教徒の迫害・虐殺は非常な問題となっている。反キリスト教的な雰囲気のある日本ではあまり報道されないが。

 このまま政府の暴力が続けば、リビアのように反体制勢力が武器をとって、蜂起することになりかねない。そうなれば政権が倒されて、アラウィ派やキリスト教徒が排除されるか、逆に軍、治安部隊による大規模な市民虐殺となるか、悲惨な状況は避けられない。中東の秩序と安定は危機に陥るだろう。

 イランの肩入れの先にそう見ることも可能だろうが、リビアと同型かはわからない。

 国際社会はアサド政権の暴力を非難し、国連安全保障理事会の決議などで政治的圧力をかけつつも、平和的な事態収拾の仲介に乗り出すべきだ。日本はこれまで経済援助などを通じてシリアと友好関係を築いてきた。役割が問われる場面である。

 シリアがそういう問題かはわからないが、リビアはそういう問題だった。朝日新聞はうかつにもEUに肩入れてして見事なダブスタであっちっちになってしまった。