20代だったら何をよむべきか

 世代が変わったから違うのかもしれないけど、20代は前半と後半では随分違う。前半は、なんというか世の中なんでもわかったような、わかるような気がしている。それでいてうっすら自分はこの人生の失敗者になるんだろうなということがわかっている。後半はそれがもろに健在化してくる。馬鹿に見えた世間は体当たりしてみるととんでもないしかけになっている。え?誰も救ってくれないのという孤独に無防備に直面する。そんななかで実際には10代の延長にあった恋愛が、あれ?大人の恋愛ってこういうこという奇妙な局面にぶつかる。自分は凡庸でしかも悪人でひどいやつじゃないか、てへへへ死にたい、という日々になれて、しらっと仕事をするようになる。
 で、そいう苦悶みたいのを助けてくれるような書籍っていうのは、悪い本です。
 じゃあ、何を読めかで書棚を巡ると、別にどれ読んでもよいのだけど、これを薦めたいね。

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いちげんさん (集英社文庫): デビット・ゾペティ
 この映画のほうは見てない。
 アマゾンみたら本のほうは絶版か。でも中古で1円だからまあよいか。
 映画でいうなら⇒[書評]ジョゼと虎と魚たち(映画版): 極東ブログ
 30代になったら薦めた理由がわかると思うよ(20代は戻らないと)、というわけで、別段読まなくても30代になればわかるよ。20代の恋は悲しいよ。30代は苦悩、40代は汚辱、50代は汚濁、終わらねーのかよ。