日経新聞社説 筋通らぬ船長釈放 早く外交を立て直せ : 筋通らぬ船長釈放 早く外交を立て直せ  :日本経済新聞

 米政府としては安保条約上、尖閣諸島の防衛に当たる義務があることを確認しながらも、東アジアで新たな紛争を抱えたくないのが本音だろう。アフガニスタンなどでの戦争で米国は軍事的に消耗している。中国はそうした米側の事情を見すえ、日米同盟にくさびを打つ動きも見せている。ゲーツ国防長官の訪中を招請したのも、その表れだろう。

 まあ、そんなところ。

 クリントン長官が公式な会談の席で、尖閣諸島日米安保条約が適用されるという立場を明示した意味は大きい。尖閣諸島は日本固有の領土であり、安保条約の対象に含まれることは当然だ。裏返せば、こんな原則すら高官レベルで再確認しなければならないほど、日米関係が鳩山前政権下で傷ついたともいえる。

 鳩山政権が招いた失態だったとも言える。まあ、結果的に東シナ海でも南シナ海と同じ構図が描けたのでよかったとも言える。