朝日新聞社説 高速道料金―根本から作り直す時だ

 前原氏だけでなく、鳩山政権と民主党は、じっくり考え直してほしい。

 第一は、民主党政権公約の目玉の一つとしてきた「料金原則無料化」を見直すことだ。高速無料が多かった欧米諸国でも、近年は財政や地球環境の観点から有料化を選択する例が増えてきた。鳩山政権も無料化へのこだわりを捨て、時代に合った料金政策を模索すべきだ。

 6月からは予算1千億円をつぎ込んで37地方路線での無料化の社会実験が始まる。そこでは、温室効果ガスの大幅削減方針との矛盾や、鉄道やバスなど公共交通機関への影響などにもきちんと目を向けてほしい。巨額の予算を投じる価値があるかどうかという財政の視点も欠かせない。
 第二に、割引財源を道路建設に回すのはやめるべきだ。これは「無駄な道路建設をやめる」という道路公団改革の趣旨に反している。建設が必要な道路があれば予算案に載せ、堂々と国会で審議するのが筋だろう。
 元々は選挙対策を重視する小沢一郎民主党幹事長が要望したことだが、制度をゆがめてはならない。
 第三に、高速料金の是正は道路各社の経営努力によって実現する、という原則を確認してほしい。道路公団民営化はそれが狙いだったはずだ。このまま税金投入で値下げを繰り返すやり方を続けるなら、道路会社の前向きな経営努力は期待できなくなる。

 そゆこと。