朝日新聞社説 小鳩体制―政治責任から逃げられぬ

 小沢氏は2月に自らの不起訴処分が決まった後、この問題は決着したとばかりに、野党や世論が求める国会での説明に一貫して応じてこなかった。
 政倫審はこれまで疑惑の解明というより、幕引きの舞台として使われてきた。会期末まで1カ月を切ったこの段階で小沢氏が急に姿勢を変えたのも、参院選前に「みそぎ」を済ませておこうとの意図とみられても仕方ない。
 一方、米海兵隊普天間飛行場の移設問題で「5月末決着」の公約が事実上破綻(はたん)した首相も、野党の退陣要求に応じる気配はない。辞めれば解決する問題でないのはもちろんである。だが、国会で「職を賭す」と言い切った首相の言葉を有権者は忘れていない。首相自身の政治とカネの問題もある。
 両氏の政治責任をどう考えるのか。民主党内で論議が起こっていいはずなのに、表立った声が上がらないのも不可解な光景である。
 首相と小沢氏、そして民主党全体が、それぞれの政治責任にどう向き合うかを、有権者は目をこらしてみている。それを忘れたら、参院選で手痛いしっぺ返しを受けることになる。

 まあ、ある程度は。