読売新聞社説 口蹄疫感染拡大 封じ込めに全力を挙げよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 そして読売の番。

 だが、この間の行政の対応は、十分とは言い難い。

 宮崎県は最初に疑いのある水牛の事例が農家から報告された後、3週間たって初めて感染を確認した。その間に感染が拡大した可能性が高く、県の判断は甘かったと言われても仕方あるまい。

 水牛のケースを端緒にもってくるべきかは難しい。いずれにせよ、この確認は3週間後だが、その間に牛のケースがあり、水牛の確認の23日の前になる20日に宮崎県の報告を受けて国に対策本部ができている。前回の例と比べて、特段に県の落ち度があるというふうには見えないのだが。

 農林水産省にも問題があった。今年に入って東アジア各地で口蹄疫感染が報告され、韓国では4月には被害が拡大していた。こうした国々からウイルスが宮崎に上陸した疑いもある。水際で防ぐ措置が必要だったのではないか。

 水際論をもって国を責められるかは、私にはわからないところ。印象としては結果論に見える。
 全体的に読売としては県と国の両方に瑕疵があるとして、その陰に報道としての読売を隠している構図になっている。
 難しい問題はあるが、今回の口蹄疫を見る上での一つのピヴォットは豚の感染で、自民党が動き出した4月28日の時点の対応を国が受けていたらここまでの惨事にはならなかったのではないかとは思う。
 
追記
 どうやらこの社説、結果論というか後日譚をトレースバックして書いた感じがする。
 ⇒「普段の下痢」…宮崎県が口蹄疫発生見逃し : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 宮崎県内で被害が拡大している口蹄疫を巡って、農林水産省が最初の感染疑い例を確認した3週間前の3月下旬、同県家畜保健衛生所が、感染した水牛を診察しながら発生を見逃していたことがわかった。
 同省などによると、同県都農町で水牛を飼育する農家から、かかりつけの獣医師を通じ、県家畜保健衛生所に「水牛が発熱している。牛乳の出も悪い」という連絡があったのは3月31日。
 この日のうちに同衛生所の職員は立ち入り検査を実施し、4頭の水牛に発熱や下痢などの症状が出ているのを確認した。しかし、「普段の下痢」と判断して口蹄疫の可能性を疑うことなく、通常の風邪の検査をしただけで、同省にも報告しなかったという。
 この水牛農家から南東に600メートル離れた繁殖牛農家では4月9日、口の中がただれた牛が1頭見つかった。同衛生所はこの時も口蹄疫と見抜けず、20日に「最初の感染事例」として発表した。このため最初の水牛についても22日に血液の遺伝子検査を行った結果、ようやく23日に口蹄疫の感染疑いが判明したが、この時点で既に5例の感染(疑い含む)が発覚していた。口蹄疫の検査結果は通常、1日か2日で判明するため、もし3月末の段階で実施していれば4月初旬には拡散防止対策がとれたとみられる。
 口蹄疫は、早期に家畜の移動制限などを講じる必要があり、口蹄疫に詳しい後藤義孝・宮崎大教授(家畜微生物学)は「県が3月の時点で徹底した消毒などの対策を取っていれば、ここまで感染は広がっていなかった可能性がある」と指摘している。
(2010年5月18日07時50分 読売新聞)

 この話がやや不気味。
 31日の水牛の問題は以前からわかっている。
 この記事の含みからすると、さらにそれ以前ということになるのだろうが。
 この論法がどうもうさんくさい。
 たぶん、こうなはず⇒Twitter / 原田 英男: これは全くの論外ですね。1例目も6例目も初期の臨床症 ...
 まあ、情報操作始まるの図なんだろうか。
 とはいえ、私としては豚のアウトブレイクが事態で重要だったんじゃねの持論は変わらず。