毎日新聞社説 社説:B型肝炎訴訟 この命は守らないのか - 毎日jp(毎日新聞)

 過去の薬害や公害で政府の対策はいつも後手に回ったが、とりわけ置き去りにされたのがB型肝炎である。感染してから数十年後に突然発症し、子どものころの予防接種が原因だと立証するのが難しいためでもある。それでも06年には最高裁が国に対し5人の患者それぞれに550万円の賠償を命じる判決を出した。だが、国はそれ以外の患者の救済を怠ってきた。そのために続々と各地裁で訴訟が起こされてきたのだ。
 正確な感染者数は不明だが110万〜140万人と言われ、このうち予防接種が原因とされるのは約半数とも2割とも言われている。少なく見積もって20万人とすると、最高裁と同じ賠償を全員にすれば1兆円を超える。一方、原告側はC型肝炎と同水準の賠償を求めてきた。肝硬変・肝がん患者と死亡者は4000万円、慢性肝炎の患者は2000万円、無症状の感染者は1200万円で、これに当てはめると数兆円が必要になる。国が和解交渉にひるむのは賠償規模の大きさゆえである。

 まあ、そういうことでもあるのだが、8割も問題だが。