曇り

 肌寒い。花冷えというのだろうか。昨晩は、見ようと思っていた、道元を描いた「禅 ZEN」の映画を見た。勘太郎道元によくはまっていた。内田有紀も好演ではあったが、本来ならここは高橋惠子であろう。映画としては、伴明らしいなと思った。音楽が竜童であったのが微笑ましい。着衣ではあるしぎりぎりだがカラミのシーンがあり、子どもには見せづらいところだ。映画としてはあと寂円がよかった。道元が中国語をしゃべるイメージ、あれはよいなと思う。道元の和語はすばらしいものだが、ところどころ中国語の感性が混じるところがあり、そこで難しいなと思うことがある。寂円を公暁とするのは原作の趣向なのであろうか。懐奘の描き方は少し食い足りないというか、懐奘という人を知っているならなるほどという作りではあったが。道元の教えという点では、全体としてはよく描いていたとは言えるかと思う。そこここに正法眼蔵や随聞記、宝慶記が織り込まれていた。月もうまく表現されていた。映像もきれいだったが、CGがちょっと滑稽なのと桜は染井吉野とするのはいただけない。あと、厳しく言うならばだが、そして私などが言うべきではないのかもしれないが、仏性の理解はまったく間違っていた。