読売社説 小沢氏聴取 全面否定でもなお疑問は残る : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 小沢氏は黙秘権を告げられての4時間半の聴取後、記者会見し、疑惑を全面否定するとともに、幹事長続投を表明した。

 被疑者聴取ということ。市民団体の告発を検察が受けている「被告発人聴取」。

 土地購入資金に関する小沢氏側の説明は、変遷してきた。
 資金管理団体による不動産購入が問題視された3年前には「政治献金」、今回の疑惑が発覚した昨年10月には、資金管理団体の定期預金を担保にした「金融機関からの融資」だった。
 党大会での釈明や聴取後の説明通りなら、不動産購入が問題となった3年前、記者会見で契約書なども示しながら語った内容は、一体何だったのか。
 3年前の会見では、不動産購入は、「献金した人の意思を大事にし、有効に使う方法だ」と述べ、支援者の浄財を購入資金に充てたとしていた。しかも、会見時の資料の一部は、作成日を偽って直前に作ったことが判明している。

 そのあたりの疑義はこれで固まったと見てよいのだが、検察の大きな絵とは筋が違うので、とりあえずのペグというくらいではないか。
 例の泥縄と見られる「契約書」だが、あれについて検察は小沢氏にどう質したのだろうか。小沢さんとしては、自身の金銭欲ではないと言いたかっただろうし、本心もそうかもしれないが、あれになんら法的な意味がないことを知らなかったのだろうか。今となっては残念なことに、あれに付いていた署名が、昨日の弁明を覆す証拠のようなものに変質しつつある。このあたりは昔懐かしい刑事コロンボのお話みたいだが。