朝日社説 鳩山政権の予算案―仮設住宅を百年建築へ:asahi.com(朝日新聞社)

 予算だが看板を付け替えただけで自民党時代と大して違いがあるとは私は思わなかった。しかも、違いを目立たせる部分が付け焼き刃に思えた。

 鳩山政権は財政再建の戦略を早急につくるべきだ。中長期の目標と、そこに至る道筋、必要な増税規模を国民に示し、理解を求め、実行に移す。それが王道ではないか。
 そのために欠かせないのが、しっかりした成長戦略だ。

 しかし、それをすれば小泉政治とかメディアのヒステリーが起こるのだろう。

 成長が期待されるのは、地球規模の課題となった環境、超高齢化社会を支える医療・介護、膨張するアジア内需などの分野である。これらの有望市場を切り開き、日本の経済成長の糧にする。その戦略を描くことは鳩山政権に課せられた任務だ。

 分野が散漫になっているのも朝日新聞としても日本の未来は見えないということだろう。
 そういうば高校の無償化だけど、現状でも高校進学率は約98%。もちろん、貧困家庭で子供を高校にやるのが苦しいというケースも皆無ではないけど、この数値を見れば、実は自民党がかなり低所得家庭を保護していたことがわかる。で、今回の民主党の無償化なんだけど、実は富裕家庭は高校は私立だし、私立の場合は減額もあるけど、それ以外は概ね、低所得援助というより、中間階層への結果的なバラマキなんで、低所得家庭との格差を広げることになる。また、国家が高校を補助することで、実は高校の教員を保護している。それでいかんというわけではなく、中間階層へのバラマキは消費に流れるという読みもあるのだろう。ただ、高校の教育をどうするという観点見ると大した政策ではないですよ。
 ついでに子供手当だけど、これも地方行政折半になったし、その部分で児童手当からの割り増しはそれほど大した額ではない。例えば、5歳、2歳の二人だと現状、15000円。今回の子供手当で上乗せは11000円。本格実施されれば、ほぉという額になるかもしれないけど、次年度の埋蔵金はないから、そのあたりはただの夢想でしょ。消費税は値上げになるけど、高齢者福祉などに充填されるから、かなりがんがん消費税を上げてからこと。それでも中間層へのバラマキになるし、ある程度まとめて渡すので、参院選にはよいかなくらい。
 ついでに。あれだけ騒いでいたのに雇用対策はどうなんだろうとは思った。コンクリートから人へとかいうけど、地方の土建を二割も減らせば雇用がかなりきびしいことになるはずだが。