朝日社説 民主予算要望―権力はどこにあるのか : asahi.com(朝日新聞社)

 民主党は、予算編成などで与党が強力な発言力をもった自民党政権時代の二元的な仕組みを改め、内閣に一元化すると言ってきた。責任の所在を明確にし、意思決定の過程を透明にしようという狙いである。
 ところが、今回のやり方では、だれがどのような基準で項目を選び、なぜそういう結論に至ったのか皆目わからない。著しく透明性に欠ける手法だ。
 政府が要望をそのまま受け入れれば、有権者の目には、小沢氏が政策を最終的に決める権力を握っていると映ってしまうだろう。
 ただ、政策決定に党がかかわる背景には、閣僚ら政務三役がそれぞれの省の立場を主張するばかりで、なかなか結論を出せない政府の迷走もあろう。官僚による調整をやめたのはいいが、首相や国家戦略相、官房長官が調整できず、小沢氏が助け舟を出して方向付けをした。そんなふうにさえ見える。

 そういうこと。行政府の不在。