毎日社説 社説:貨物検査特措法 歩み寄り早期成立図れ - 毎日jp(毎日新聞)

 よい指摘だと思う。

 一方、自民党などは麻生政権時代と同じ内容の法案を国会提出している。検査の主体を海保と税関に限定しつつ、海保で対応が不可能であるなど「特別な事情がある場合」は自衛隊を活用すると明記している。海上警備行動によって海上自衛隊が出動し、海保を支援したり、船舶を追尾することを想定したものだ。
 海警行動は現行の自衛隊法に基づく措置であり、麻生政権は海自の検査は法的に不可能であるとの見解だった。とすれば、自民党案でも、これによって新たに加えられる自衛隊の活動はないわけで、実態上は政府案と自民党案に大きな差はない。
 北朝鮮船舶が重武装している場合など「特別な事情」で、現行法により海自を活用することは政府の判断である。新法にあえて盛り込む必要はあるまい。鳩山政権がその可能性を排除しないなら自民党は歩み寄れるはずだ。安全保障にかかわる法案は与野党が合意して成立を図るのが望ましい。迅速な議論を期待する。

 自民党案と民主党案と「大きな差はない」とまで言えるかはわからないが、この間の民主党の政局優先の、この件のごたごたが結実したという差でもない。結局、民主党の迷走は、ほぼ何も生んでいない。せいぜい廃案にしなくてよかったというだけでしかなかった。
 この問題も粛々と進めたかっただろう麻生さんの無念を思うが、それが歴史というもの。