毎日社説 社説:郵政新体制 肥大化へ逆戻りせぬか - 毎日jp(毎日新聞)

 日本郵政の新体制が発足した。しかし、「新」という形容がふさわしいとはどうにも思えない。選出された経営陣の顔ぶれをみると、官への回帰が鮮明だからだ。
 西川善文社長の後任に就いたのは元大蔵次官の斎藤次郎氏で、さらに4人の副社長の中には坂篤郎前内閣官房副長官補と足立盛二郎元郵政事業庁長官が含まれている。5人の社長・副社長のうち過半の3人を官僚OBが占める。
 脱官僚が鳩山政権が掲げているスローガンだ。そのため天下りの禁止も唱えている。ところが今回の日本郵政の人事は、天下りを繰り返す、わたりではないか。
 鳩山由紀夫首相は、日本郵政の人事について、亀井静香金融・郵政担当相に一任したという。しかし、看板に偽りありということになると、鳩山政権への打撃となりかねない。

 この人事にはそう単純に判断できない部分はあるが、それでも民主党のいう「天下り禁止」はすでに空文でしょう。日銀総裁と今回郵政社長の選択に、なんら整合性はない。この件では民主党自民党以下であるのはすでに明白だし、この部分は公約違反。まあ、とはいえ、という部分は残るが。

 しかし、これはかつて模索された郵便局でのパスポートの発給など、郵政肥大化路線への逆戻りを意味する。

 というかそこに意味がある。言われているような国債の買い取りというより、すでに買い取られている国債の防御なのではないかな。なにか相当にやばい想定をネオ大蔵省はもっているのではないかという懸念もある。結果的には長期金利上昇が指標になるか。
 いずれにせよ、日本郵政に採算の見込みはないというか、でっかい国家になった。