朝日社説 国会論戦へ―「首相主導」が問われる

 雇用や経済に対する国民の不安を考えても、年内に予算を編成することは最優先の課題といえる。
 そうであればこそ、国家戦略室には、もっとてこ入れをすべきだろう。歳出総額や国債発行額といった来年度予算の骨格を示す司令塔なのに、主導的な役割を果たせないままでは設計図なき予算編成になりかねない。

 ネオ大蔵省という以外の設計図はないし、それ以外の設計図が日本に意味があるのかわからない、といえばわからない。
 「雇用や経済に対する国民の不安」といいながら、雇用対策には予算は割かれないに等しく、経済というときその展望はない。

 米軍普天間飛行場の移設問題や日本郵政の社長人事を巡り、このところ、鳩山由紀夫首相の存在感が揺らいでいるかに見える。国会論戦では、鳩山氏の「首相主導」力が問われる。

 なんの決断もできない薄気味悪さという存在感は増しているように思う。