日経社説 これは郵政改革の撤回ではないか : NIKKEI NET(日経ネット)
良社説。これはよく踏み込んだ。
それにも増して、郵貯、簡保を通じて入る資金を、政府が唯一の株主である日本郵政グループが一元的に管理すれば、何のことはない、以前の郵政に戻る。実際、亀井静香郵政担当相は郵貯などの資金を地域振興に投じる考えも示している。
財政投融資制度の下で巨額の郵貯・簡保資金が特殊法人や国、地方自治体などに流れ非効率に使われた。これを改めて民間部門でより有効に使い、経済活性化に役立てるのが郵政改革の理念だったはずだ。
財投には戻らないにせよ、この資金を狙っているのだろうと思う。小泉郵政選挙のころ、国民の富が米国に渡るとか発狂していた人がいたが、自由化されればカネはただカネのロジックとリスクで動くだけだが、国家が運営すればその尻ぬぐいは重税に跳ね返る。つまり結果的に国民への搾取というか、民間の富の没収に帰する。
民間人に経営を委嘱しておきながら、いじめに近い仕打ちをし、果ては方針転換を理由に辞任を迫るのでは今後、民間人が進んで来てくれるだろうか。それも含め考えれば政府の「改革見直し」は郵政改革の撤回と同義と見なさざるを得ない。
「同義」ではないが、この辞任への追い込みは、ひどいことするなと思う。