本を読めかぁ

 まあ、そうかなというか、そんなことを自分も書いてきたようではあるが。
 本というのは、なんか一種の砂漠のオアシスみたいなものので、砂漠を歩いて歩いて、ようやくなんとか読める程度のものではないか。
 ブログの世界になってから、必読書リスト、良書リストとか流行るが、本というのは自分の頭で読むものなんで、自分が理解できるゾーンのものがよい。というかそこを越える本は、その人には存在していない。
 それでも砂漠を歩く感覚があればよいのではないかな。
 50歳とか自分でも信じられない年になってみて、つまり、漱石先生が若者に見えてしまう奇妙な経験とかしてみると、自分の年を越えた書き続けてきた人の気持ちが、以前よりもよくわかるようになってきた。
 と同時に、若い人の気持ちが溢れる文章というものを、その肉体のように、美しくも思うようになった。